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6月 根津美術館見学のご報告

2023年6月25日(日)に、表参道の根津美術館の見学を行いました。またその後、岡本太郎記念館にも訪れました。


根津美術館

根津美術館は、東武鉄道の社長を務め「鉄道王」とも呼ばれた実業家、初代 根津嘉一郎の収集した日本・東洋の古美術品を展示している美術館です。また、印象的な本館は隈研吾の設計です。

この日の目的は、企画展「救いのみほとけ お地蔵さまの美術」を見ることでした。

「お地蔵さま」と呼ばれ多くの日本人に親しまれている地蔵菩薩は、平安時代後期に衆生を救済する仏として信仰が確立され、それ以降数多くの仏画や仏像が作られました。この企画展では、根津美術館が収蔵する仏画や仏像を中心に、地蔵信仰の広がりを知ることができる数多くの作品が展示されていました。

例えば、作品のひとつに「地蔵来迎図(らいごうず)」(日本・鎌倉時代)があります。

これは左手に宝珠、右手に錫杖(しゃくじょう)を持ち、衆生を浄土へ導くため白雲に乗り下界へ向かうさまを表したものですが、非常によく似た来迎図が多数存在しており、この時代にとても人気があったことがわかります。また、展示作品の中には手の左右が逆になっている来迎図もあり、なぜそのような姿で描かれたのか、とても興味を引かれました。

こちらは同時開催されていた「仏教美術の魅力 ─中国・朝鮮の古金銅仏─」の展示品の如来立像(中国・6世紀)です。かなり大きいのですが、こうした石像がきれいな状態で保存され、展示されていることは素晴らしいことだと感じました。


また、他にも同時開催されていた企画展として、「西田コレクション受贈記念Ⅲ 阿蘭陀・安南 etc.」「涼一味の茶」などがありました。特に「涼一味の茶」では、茶人としても知られている初代 根津嘉一郎の集めた茶道具のうち、特に涼し気な見た目のものが取り合わせて展示されていました。


根津美術館のもう一つの見どころとして、広大な庭園があります。

園内には池や滝、お堂や茶室などがあり、都心とは思えない落ち着いた時間を過ごすことができました。

歩いていると、さまざまな石像に出会うことができるのもこの庭園の魅力です。


侍童像(朝鮮 16~17世紀)
石像五輪塔(日本 1671年)

岡本太郎記念館

続いて向かったのは、根津美術館のすぐ近くにある岡本太郎記念館です。

岡本太郎は、「太陽の塔」などで有名な芸術家です。1996年の没後、彼の自宅兼アトリエが岡本太郎記念館として作り替えられました。

2022年7月頃に岡本太郎をモチーフにした特撮ドラマ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」がNHKで放送されたり、2022年10月頃に上野の東京都美術館で「展覧会 岡本太郎」が開かれていたりしたことで、最近になって改めて注目されている芸術家の一人だといえます。

縄文人

この日は企画展「衝動の爪あと」として作品が展示されていました。

個人的に印象に残ったのは、館長の言葉が書かれたパネルでした。岡本太郎といえばべらぼうででたらめな作品を作っている、という印象があったのですが、意外にも岡本太郎は頭の中に完成形を思い浮かべて制作していたというのです。これが作品の世界観に繋がりを残していたり、似たような作品をいくつも制作していた理由なのか、と納得しました。

こちらは特別展示「–繍しく刺るな [utsukushikualuna]–」です。岡本太郎にインスピレーションを受けた方々の作品や記録が展示されていました。

2階では、「坐ることを拒否する椅子」と思われる作品や、その他絵画が数多く展示されていました。

1階では、アトリエだった場所を見学することができました。まるで今でも制作が行われているかのように、時間が止まったかのようにその空間が保存されていて驚きました。また、天井がかなり高かったことも意外でした。

アトリエの手前の部屋にいる岡本太郎像

また、屋外にも多くの作品が展示されていました。

歓喜の鐘
2階のベランダから見下ろしてくる太陽の塔

最後に、残念ながら閉園時間だったため中には入れませんでしたが、浜離宮恩賜庭園にも行きました。入り口から眺めるだけとなってしまったので、こちらはまた別の機会に見学したいと思いました。


次回のイベントは未定ですが、仏教青年会では夏頃に合宿の開催を予定しています。

また、暑い日が続きますが、日吉の仏教青年会館に新しい冷蔵庫が設置されました。仏教青年会館に寄る機会がありましたらご活用ください。

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